滋賀県長浜市のお寺
-真宗大谷派浄願寺-
●テーマ 2023年 報恩講(237座)
2023(令和5)年12月1日
11月17日(金)から11月19日(日)、浄願寺に於きまして報恩講法要(お取越)(お敬い)が勤まりました。ここに写真を掲載しご報告させていただきます。
合掌
慶讃法要の年に思う 住職記
■高橋法信さんの法話の中で、最後に
「朋よ」と呼びかけてくださる親鸞さん。
とあり、この言葉の背景を高橋法信さんは次のように語られました。
■毎年東本願寺で勤まる御正忌報恩講には必ず上山奉仕される人たちがおられ、その理由をこのように仰ったそうです。
私たちは被差別部落出身であり、だからこそ「朋よ」と呼びかけてくださる親鸞さんに御礼を言うために来ているのです。
■これを聞き、1922年(大正11)年の全国水平社創立の際に出された「部落内の門徒衆へ」の中の言葉が思い起こされました。親鸞聖人(御開山)への思いが次のように書かれています。
賤しいもの穢れたものと蔑まれていた人びとも何の差別もなく御同行御同朋と抱き合って下さった、そしてまだ御自分を無慚無愧とあやまってくださるこの御慈悲のまえにこそ私共は身も心も投げださずにおられません、この御開山が私共の御同行です、私共はこの御開山の御同朋です。(※原文から「人びと」と取意)
■そしてこの精神とはまったく対極と考えねばならないことがあります。それは親鸞聖人のまったくおおせになきことを仰せとし、東本願寺は権力にへつらい加担し、多くの人びとを差別し踏みつけてきたという痛ましい歴史があります。そして明治9年そのことの象徴ともいえる「勅額(見真額)」が国の権力から与えられたのです。
■今年は、東本願寺では宗祖親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要が勤まりましたが、親鸞聖人の御真影の上に「勅額」が置かれたままでした。悲しいことにそのことへの批判の声がほとんどありません。■本年を勝縁とし「勅額」を御影堂から別の場所に安置することが切に願われています。それは「勅額」をただ片付けてしまうだけではなく、東本願寺の差別の歴史と自らの差別体質を見つめ続けていくためです。その上で私は親鸞聖人(御開山)の御同朋・御同行とどこでいえるのかと、厳しく自問すべきです。そのことを抜きに親鸞聖人(御開山)への慶讃はありません。
親鸞聖人御真影の上に「勅額(見真額)」
11月12日(日)朝 仏具のお磨き
11月16日(木)夜 内陣 荘厳
11月16日(木)夜 竹灯篭設置
(左から西村厚子さん 野村良雄さん)
11月17日(金)朝 お華束盛り(須弥盛)
11月17日(金)朝 本堂 向拝 五色幕張り
午後1時半 初逮夜
映像 立教開宗の書 教行信証 坂東本の世界
11月18日(土)午前6時半 晨朝
法話 一色孝氏(朝日 光西寺)
三言
●仏の光に遇う。
●拯済は沈む私をすくい上げること。
●亡き人の慈しみの顔。
午前10時 初日中
法話 高橋法信氏(大阪 光徳寺)
三言
●湖北の空気がなつかしい。
●いのちは生まれ生きたいと願っている。
●如来大悲は私をずっと待ち続けている。
午後一時半 結願逮夜
法話 高橋法信氏(大阪 光徳寺)
三言
●いのちは私の思いをこえて誕生した。
●生きるための経済であって、経済のために生きるのではない。
●宿世の業が宿業。
11月19日(日)午前6時半 結願晨朝
御文拝読 『鸞聖人』 澤面章氏(当寺)
感話 木村英淳氏(大阪 玉泉寺)
三言
●将来の夢はありますか?
●尊敬する人はいますか?
●『仏説無量寿経』にある「兵戈無用」は今の話です。
法話 高橋法信氏(大阪 光徳寺)
三言
●過去から学び未来を作る今。
●戦争だけは決してしてはいけない。
●私の闇の深さが仏の願いの深さ。
午前9時15分 子ども報恩講
法話 澤面宣了(当寺)
三言
●摂取とは逃げる私を救い取ること。
●無二のあなた、無二のわたし。
●皆、仏の子(みこ)。
満日中に子どもたちから献花
感話 越本達了氏(大阪 専光寺)
三言
●身を粉にして生きているか。
●大悲が弘くあまねく化する。
●報恩講が嬉しくなつかしい。
法話 高橋法信氏(大阪 光徳寺)
三言
●人間は一体何を求めて生きているんやろ。
●答えをもっているから聞こえない。
●「朋よ」と呼びかけてくださる親鸞さん。
お礼 藤田與四蔵氏(当寺 門徒総代長)
法要式次第
十一月十七日(金)
■午後一時半 初逮夜
正信偈 真四句目下(同朋唱和)
念仏讃 淘五
和讃 弥陀成仏のこのかたは 次第六首
回向 我説彼尊功徳事
映像 立教開宗の書 教行信証 坂東本の世界
十一月十八日(土)
■午前六時半 初晨朝
正信偈 中読(同朋唱和)
念仏讃 淘五
和讃 道光明朗超絶せり 次第六首
回向 世尊我一心
御文拝読 『中古以来』澤面宣了(当寺)
法話 一色孝氏(朝日 光西寺)
■午前十時 初日中
正信偈 真四句目下(同朋唱和)
念仏讃 淘五
和讃 光明月日に勝過して 次第六首
回向 願以此功徳
御文拝読 『聖人一流』澤面宣了(当寺)
法話 高橋法信氏(大阪 光徳寺)
■午後一時半 結願逮夜
正信偈 真四句目下(同朋唱和)
念仏讃 淘五
和讃 五十六憶七千萬 次第六首
回向 我説彼尊功徳事
御文拝読 『大坂建立』澤面宣了(当寺)
法話 高橋法信氏(大阪 光徳寺)
十一月十九日(日)
■午前六時半 結願晨朝
正信偈 真読(同朋唱和)
念仏讃 淘五
和讃 南無阿弥陀佛の廻向の 次第六首
回向 世尊我一心
御文拝読 『鸞聖人』澤面章氏(当寺)
感話 木村英淳氏(大阪 玉泉寺)
法話 高橋法信氏(大阪 光徳寺)
■午前九時十五分 子ども報恩講
法話 澤面宣了(当寺)
■午前十時 結願日中(子どもたちから献花)
正信偈 真四句目下(同朋唱和)
念仏讃 淘五
和讃 三朝浄土の大師等 次第三首
回向 願以此功徳
御文拝読 『御俗姓』澤面宣了(当寺)
感話 越本達了氏(大阪 専光寺)
法話 高橋法信氏(大阪 光徳寺)
お礼 藤田與四蔵氏(当寺 門徒総代長)
編集後記
▼今年もまた「ほんこさん」が体に染み込んでまいりました。準備から色々とお世話をしてくださいました総代さん、婦人会の皆さん、子どもたちにお菓子をくださいました北川政嗣さん、そして皆さんありがとうございました。
▼本文の文責はすべて住職にあります。
▼今回の竹灯籠もすべて西村厚子さんの作品です。華やかな光明をありがとうございました。
竹灯籠(西村厚子さん作)
たくさんの作品の中から「南無阿弥陀佛」
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