テーマ 解放運動特別指定伝道研修(173座)

2018(平成30)年8月1日


 

表紙

▲先日の6月29日を最後に、この度2年間の解放運動特別指定伝道研修とスタッフ協議会の全日程が終了しました。部落問題をはじめ様々な差別問題の講義と問いを頂きました。今、あらためてこの研修会にのぞみ書かせて頂きました文章を掲載し、そこに帰りつつ歩んでいきたいと思っています。

 

住職記

解放運動特別指定伝道研修に向けて                     
 
 長浜教区は、宗祖親鸞聖人の教えが蓮如上人、教如上人、乗如上人から今日まで、深く伝承されてきた土徳ある地域であります。しかしながらわが宗門がそうであるように、そうした伝統の裏側でいつも社会的弱者が踏みつけられてきたという歴史があり、そのことを如実にあらわす部落差別もまた根強く残っている地域でもあります。
 また教区では1999年度から毎月「教区部落問題研修会」を開催し、そして毎年、各組がそれぞれ主体になって、部落問題研修がずっと取り組まれてまいりました。それは土徳あるここにこそ、今も現前としてある部落差別の現実を第一に自らの課題とする願いからであります。
 この度の解放運動特別指定伝道研修の趣旨には最初このように書かれています。

1969(昭和44)年にはじまった、難波別院輪番差別事件を契機とする“糾弾”を縁として、それ以降今日まで次第に部落問題に学ぶ学習の輪が広がってきました。
 しかしながら、現今次々に表面化する派内の差別事件、事象とそれをめぐる動きのなかで、いよいよ部落問題学習の質を問い改めることが要請されるとともに、運動の拡充が望まれます。

 それはひとへに親鸞聖人から背き続けてきた私たち一人ひとりへの“糾弾”であり、親鸞聖人へ帰れとのうながしに他なりません。そのことはすでに、1922(大正11)年3月3日、部落差別の現実から立ちあがった全国水平社から厳しく問われていたことなのです。その中心メンバーの一人であった木村京太郎氏が、全国水平社創立に至るその原動力は何か…という問いかけに対して言われたのが次の言葉であります。

我々は「真宗門徒」だから立ちあがったのだ。

 果たしてこのような「真宗門徒」としての自覚、使命、責任を私たちは感じたことがあったのだろうか。社会から差別され、抑圧され、虐げられてきた「いし・かわら・つぶてのごとくなる」人たちを「われら」と仰った親鸞聖人を宗祖とする私たちはどこで「真宗門徒」といえるのだろうか。1962(昭和37)年「門徒一人もなし」に立って真宗同朋会運動が展開されてきた中で今、そのことが根本から問われているのです。
 この度、解放運動特別指定伝道研修において、テーマ 「真宗門徒の証しをたてよう」ー自他の差別を見抜き、差別とたたかう主体を形成するーに学んでまいりたいと思います。また、その趣旨の最後にある「解放運動の基本的な姿勢と立脚地を周知徹底させていくこと」の中で、常に親鸞聖人から背き続ける私たち一人ひとりに課せられている「真宗門徒の証しをたてよう」の歩みを新たにしたいと思います。

 

表紙

▲7月18日、長浜別院に於いて、近畿連区准堂衆会第23回研修会が開催されました。講師の阪本仁師(解放運動推進本部)がテーマ「是旃陀羅」問題について話されました。その中で「無自覚な読誦の罪」という言葉をはじめ、実に大事な問題提起を頂きました。

 

住職記

長浜教区では、7月2日〜10日に長浜別院、8月5日〜10日に五村別院で計十五日間、夏中(げちゅう)が勤まります。そこで夏の御文が拝読されますが、これだけの長い期間は日本中どこを探しても他には無いことです。夏中の由来はインドの釋尊の夏安居(げあんごう)に由来するといわれています。しかしいつも言うことなのですが、私はやっぱりそれ以上に、「夏中さん」と愛着を込めて呼び、賑々しい露店が並ぶ琵琶湖の夏の風物詩にまでなった、ここ湖北の地域に根ざした「お講」であると感じるのです。それこそ、民衆の中で生きられた蓮如さんを慕い、遺言ともいわれる「夏の御文」を十五日間もの間、頂き直そうとされてきた真宗門徒の歴史であると思います。

 

夏中が勤まりました

↑夏中 暁天講座 於長浜別院

 

夏中 暁天講座(7月3日〜10日)於長浜別院 

聞き取りメモ(文責 澤面)

▼3日 木村智明さん(第22組 雲外寺)
テーマ 殻
講師よりひと言 
常に自分自身の殻を叩くことを決して忘れてはいけないと思う。

▼4日 黒田義邦さん(第13組 善通寺)テーマ 今 学んでいく。
講師よりひと言 
今、失敗が許されず、寛容性が小さくなってきているように思う。

▼5日 藤本正隆さん(第23組 祐善寺)
テーマ 自分を見つめて
講師よりひと言 
優しさとは人の心を大切にすることだと思う。

▼6日 榎智龍さん(第14組 光覺寺)
テーマ つながりを生きる
講師よりひと言 生命というのは孤独ではない。

▼7日 三原了導さん(第22組 來現寺)
テーマ 生きるということ
講師よりひと言 
人間は願われていることに気が付かない。

▼8日 朝比奈顕さん(第20組 覺圓寺)テーマ 私の役割り
講師よりひと言 
自分は死ぬことはないと思っている。

▼9日 三山岳さん(第13組 真勝寺)
テーマ 無縁の社会に思う
講師よりひと言 
無縁の社会を作っているのは私。(右写真)

▼10日 道祖尾直子さん(第17組 存光寺)
テーマ お念仏によって私に出遇う
講師よりひと言 
南無阿弥陀仏ひとつで凡夫が救われる。それは決して絵空事ではない。

 


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