▼3月6日〜7日、長浜教区ハンセン病問題交流研修会として岡山県瀬戸内市邑久町を訪ねました。
▼1日目は長島愛生園の納骨堂参拝、歴史館、収容所跡、監房跡等を回りました。
▼2日目は邑久光明園の納骨堂参拝、歴史館資料館、しのび塚、監禁室等を回りました。それぞれの場での地元の人々との交流を通して、様々な生の声を聞かせて頂きました。
▼講師の中杉隆法さん(山陽教区・西林寺住職)からのテーマは「大谷派とハンセン病問題」でした。1996年、大谷派はハンセン病問題に対して謝罪声明を表明し、国と連動して隔離政策を支える社会意識を助長したことを認めました。そしてこのような差別の歴史から、ハンセン病問題は決して患者さんの問題ではなく、実は私たちの問題なのですと語られました。
▼私自身もまたいかに無知、無関心であり、その人々を同朋として見い出す眼を失ってきたことを痛感しました。
▼今回の研修会を終えて、思い起こされる玉光順正さん(山陽教区・光明寺前住職)の言葉を頂きたいと思います。
人は、その出会いによって人格(人であることの意味)を形成していくのである。それ故、今の私は、これまでに出会った人とものごとによって、又これまでに出会っていない人とものごとによって形成されているといっていいだろう。(中略)これらのことは、私たちが誰と出会わねばならないのか、何事と出会わねばならないのかということを示唆してくれているといってもいいだろう。
『聖書と親鸞の読み方』ルベン・アビト・玉光順正著より
▼今の私はこれまでに出会った人によって形成されているという言葉はよく耳にしますが、玉光順正さんはここではさらに
今の私はこれまでに出会っていない人によって形成されている、だからこそ私たちは誰と出会わねばならないのか…
と教えてくださいます。
▲集合写真 於長島愛生園納骨堂
▲講師の中杉隆法さん 於長島愛生園 真宗会館
▼元々ハンセン病問題交流研修会は2020年5月7日の予定であったのですが、コロナ禍のために残念ながら中止となりました。そして今回約4年の月日を経ての開催となり、本当に有難いご縁の中で多くの課題を頂きました。
▼また早速帰宅した次の日、研修会で一緒だった坊守さんからNHK放送の『明日への言葉』の音声を聞かせて頂きました。そこでは屋猛司さん(邑久光明園入所者自治会会長)が 「昔は霊安塔がありそこでお通夜をやっていました。隣に解剖室がありました。」と死んでも切り刻まれる人権侵害の解剖記録についても語られています。
▼そもそもハンセン病は遺伝病ではないきわめて伝染力の弱い病なのです。ところがとんでもない国の政策である隔離から誤った偏見を人々に植え付け、それによる想像を絶する苦悩を患者さんに強いてきたのです。これからハンセン病問題に取り組む者として、その事実である次の5点を私の胸に刻みたいと思います。
1、家族と一緒に暮らすことが出来ない。
2、実名を名乗れない。
3、女性は子どもを産むことが許されない。
4、診療所から一生出れない。
5、最後は診療所内の納骨堂に埋葬される。
▼最後に邑久光明園のキャラクターを紹介します。
▲名前「こみょたん」
差別やいじめのない世界になれば、みんな幸せになれるのだということを伝えています。