テーマ 泉惠機先生 一周忌 〜問われ続ける僧侶〜(217座)   

2022(令和4)年4月1日


表紙

▼帰敬式法座 〜仏法子ども探検団〜 
ほんとうの宝をさがしにいこう! 入門編(キャラバン)が開催されました。(長浜教区主催)
▼和やかなとても楽しい時間を頂きました。スタッフの方をはじめ皆さまありがとうごさいました。
▼そしてこの入門編(キャラバン)の後、いよいよ3回開催されます。参加してくださる方は住職までご連絡頂きますよう心よりお待ちしています。

▼詳しく観る


住職記

泉惠機先生 一周忌 〜問われ続ける僧侶〜  

■今月4月17日は泉惠機先生(長浜教区清休寺前住職 上山田)(以下「先生」)の一周忌です。解放運動にその生涯を尽くされた先生は、折に触れて、数々の大切なことを教えてくださいました。やはり先月も全国水平社創立100周年の節目から、通信にも先生の次の言葉を書かせて頂きました。

水平社は、寺の私たちがきちっとしていたら立ち上がる必要のないことだった。
『身同』第37号(東本願寺発行)

■これは先生が、長浜の方に来られた西光万吉さん(水平社宣言の起草者)をたずねた時の会話からなのです。同じく『身同』にその始終が書かれていますのでここに掲載させて頂きます。

西光さんは初対面の私に、「どこの誰や」「何しに来た」と言われました。私は、「西光さんは全国水平社を創立されましたが、私が思うに、全国にはたくさんの寺院がある。そこには被差別部落をご門徒として抱えている寺もあるし、そうでない寺もある。あってもなく ても、本来、西光さんたちがやろうと立ち上げた水平社は、寺の私たちがきちっとしていたら立ち上がる必要のないことだった。だから 申し訳ないと思って、どうしても一回お話をお聞きしたい」と答えました。そうしたらお 泣きになった。「そういう僧侶が来てくれるというのは、うれしいことです」と言ってお泣きに なりました。それが西光さんとお会いした最初です。私は高校の時から部落差別問題の学習会をやっていたのです。その時は周りから「赤坊主」などと言われました。そのことを西光さんが知ったのです。それで、「それはわれわれとしても放っておけない」と言って、西光さんをはじめ、創始者の一人である阪本清一郎さんや木村京太郎さんといった人たちが順番に、お寺に来てくださいました。西光さんらは高月駅からタクシーには絶対に乗られないのです。雪が降っても、その中を歩いて来られました。もちろん帰る時もです。そして、謝礼は一切もらわれませんでした。

■そこにあるように、当時高校生であった先生に西光万吉さんは「そういう僧侶が来てくれるというのは、うれしいことです」と言ってお泣きになられたのです。これは決して感動の話で終わらせてはなりません。西光万吉さんが表現される「そういう僧侶」が果たしてどれだけいるかということです。

■先生は「赤坊主」とあるように、教区でも 「あいつは赤」「泉アレルギー」「部落と靖国を言うからアカン」などと批判されることがありました。しかし、どんなに罵られることがあっても部落差別問題をはじめ、自らのやるべきことを果たし、一生涯その姿勢を貫かれた僧侶でした。

■重ねて思い出されるのは、2014年3月9日、浄願寺永代経法要での先生の次のお話です。

「三帰依文」にある「自ら僧に帰依したてまつる。」の僧は、原語からも在家信者を含めたサンガ(仲間)ではなく、本来は出家した僧侶を指すのです。今日の堕落した僧侶、勿論自分も含めてその現実を前に、「三帰依文」はどうしても読めないのです。(文責澤面)

■先生の僧への思いは、言うまでもなく僧侶をたてまつれということではなく、仏弟子と名告(なの)る、出家修行者としての自覚と責任を言及されていると頂いています。「寺の私たちがきちっとしていたら」の言葉もやはりそこからの問いかけであると思います。

■私は今、水平社創始者の西光万吉さん、阪本清一郎さん、木村京太郎さんらが先生のことを「放っておけない」と言われたこと。先生のお寺に来られた道中の高月駅からは、行きも帰りも雪が降っても、その中を歩いて来られたこと。そして、謝礼は一切もらわれなかったこと。

■それらのお姿を胸に刻みながら、私自身、先生からずっと問われ続ける僧侶として、そして「きちっと」しているとは到底言えない僧侶として、先生の一周忌に歩みを新たにしたいと思います。

全国水平社創立の地

▲3月3日、13:30〜於長浜教務所、大谷会館講堂の全国水平社創立100周年研修会がコロナ渦のため延期になりました。

▲それはとても残念でしたが、それならばと、京都市の全国水平社創立の地に行ってきました。(上画像 3月3日午後12時57分撮影)

▲100年前の再現ではありませんが、午後1時、そこで全国水平社綱領、宣言(この時に限り広島県連版ではなく原文)、決議を音読させて頂きました。

永代経法要が勤まりました。


▼詳しく見る

●長浜教区青少幼年部主催のおえかきコンテスト「デザインアミダ」に浄願寺から7名の方が応募してくださいました。ここにご紹介(下の名前だけ)させて頂きます。

●別紙の所定用紙に、色鉛筆、クレヨン ペンなど自由な発想で作品を完成させてください。長浜教務所から参加者全員にプレゼントがあります。浄願寺通信に掲載させて頂きます。大人の方もぜひお待ちしています。住職までよろしくお願い致します。(期間延長6月30日まで)

●長浜教区のホームページに公開されています。下をクリック

▼長浜教区のホームページを見る


▼浄願寺通信一覧に戻る
<<前のページ | 次のページ>>