長崎教区第二組真蓮寺住職 寺本温
福島の子どもたちは「なかなか外で遊ぶことを許してもらえない」と言っていました。その子たちを前に感話が当たった時、私は思わず「ごめんなさい」と言って、涙がこぼれ落ちました。それは、長崎の地に生まれ育ち、原爆の学びの中で、放射能の恐ろしさと、ちゃんとコントロールできないことを知りながら、思い通りの生活を求めるあまり、「クリーンなエネルギーだ」とか「コストが低い」という言葉の前に口をつぐみ、原子力発電を容認して生きてきたからです。
そのことが、遊び盛りのこの子たちに外で遊べない生活を強いていることに、あらためて心が向いた謝罪でした。私たち大人がその「思い通り」を疑いもせずに作ってきたこの世の中で育つ子どもたちが、自分の欲求を満たすために他の人を傷つける事件を起こしてしまうことは、そんなに不自然なことではないのでしょう。事件を起こしてしまった子は、もちろん法律的には加害者なのでしょうが、私たち大人による被害者でもあると思われます。
「児童教化のページ」『真宗』東本願寺発行
2015(平成27)年7月号より
■下、ご案内のチラシの如く、今年も長浜教区から被災地へ支援物資が届けられます。昨年と同様、【白米】精米済、または支援金で、引き続きご協力の程よろしくお願い致します。浄願寺へお持ちいただくか、住職にお渡しいただきますなら、浄願寺の本堂にお供えの後(下、写真参照)、住職が集荷場所である組長の憶念寺様(小沢町)へ届けさせていただきます。尚、5キロの米袋と左のメッセージカードは浄願寺にもございます。メッセージと名前を書いて米袋にお貼りください。
長浜教務所発行チラシより
メッセージと名前を書いて米袋にお貼りください。
▲集まったお米は浄願寺本堂にお供えします。2012(平成24)年9月28日
▲集まったお米は浄願寺本堂にお供えします。2013(平成25)年10月31日
▲集まったお米は浄願寺本堂にお供えします。2014(平成26)年10月28日
▲集まったお米と飲料水は浄願寺本堂にお供えします。2012(平成24)年3月19日
■今回この取り組みの中、あらためて表紙の文を読み直しています。寺本温さんはこの文の一番最初に、
子どもが関係する事件が起きる度に、「何故あんなに酷いことをしたのだろう」、「家庭環境に問題があるのでしょう」、「地域性があるのでは?」ということを耳にします。
■と、このように書いておられます。実は、多くの大人たちが自分とはまったく関係無いという顔をして生きているのではないでしょうか。そして、その子どものことを「モンスター」などと呼ぶのです。
■ついつい、そんな大人になってしまう私もまた、表紙の文の最後をよくよく心に刻みつけたいと思うばかりです。
※今号よりホームページ(PC版・スマホ版)にロゴ(表紙)を統一致しました。