テーマ 東京オリンピック・パラリンピックに自問する②(209座)

2021(令和3)年8月1日


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東京オリンピック・パラリンピックに自問する② 住職記

▼振り返れば、2013年9月7日、東京五輪の開催が決定しました。2011年3月11日、東日本大震災から間もない、そもそもなぜこの時に…なのでしょうか。

▼それから今、「コロナ緊急事態宣言」にもかかわらず、ほとんど声を上げることのない著名人たちやアスリートで賑わう、この度の利権漁りの東京五輪に対して、私はただただ悲しみと怒りを強く感じています。

▼思えばこの震災によって15899人の命が奪われ、2526人が行方不明であり、重ねて現在も苦悩を強いられているたくさんの人がおられます。(今年3月1日時点)

▼そして、私たちが決して忘れてはいけないもうひとつの緊急事態宣言があります。それは震災の日、福島県内に出された『原子力緊急事態宣言』です。あれから10年が経過してもなお、解除させる見通しはありません。

▼先日7月21日、ふくしま復興ステーションにたずねた所、小児甲状腺がんが現在256人が悪性、悪性の疑いと診断されています。これは福島でおおむね18歳以下の人を対象とした検査で、これまで約30万人が受診されています。通常、100万人に1〜3人の発症と言われる小児甲状腺がんが256人です。この多発な数字から、これは福島原発事故によることは明らかです。しかしオリンピックべったりのマスコミは、このような現実はほとんど報道することはありません。

▼「決して忘れない」が震災後から大切なキーワードであるのに対して、政府やマスコミは五輪というお祭りでもって、真逆のことに全力を上げています。それはひとえに「忘れさせる」なのです。

▼何よりも最優先は命であり、特に子どもたちを守らなければなりません。そのために私たち大人はまず、このような差別社会の構造を見抜き見破る眼を持ち、命を奪う者とは闘うべきではないでしょうか。薄汚れ、膨れ上がった欲望の象徴である原発を生み出したのは一体誰であるかの、一人ひとりの自問とともにです。

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8月1日 「蓮ちゃんといっしょに。」(書籍化)▼詳しく見る


7月18日 浄願寺御遠忌法要実行委員会 正副委員長・正副部会長会議が開催されました。▼詳しく見る


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